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大手ベーカリー工場で第2の大クレーム発生

 2009-12-01
2002年5月、もうひとつの大きなクレームが発生しました。
この二つが過去の大きなクレームだったのですが、
DJ-2の調製品で製造したパンから異臭がするというものでした。

パンの回収騒ぎにまでなっているという事ですぐさま飛んでいきました。
CJの大阪の駐在員も一緒でした。

問題の発生しているパンやDJ-2の粉から異臭を感じました。
しかし、CJの方は異臭を感じないと言うのです。

製パンメーカーの方は「これ、異臭を感じないのか?」と驚かれたのですが、
CJの方ははっきりと何も感じないと言うのでした。

私もおかしいなとは思いながらDJ-2を保管している倉庫に調査するために入りました。
そうすると製パンメーカー様から帰ってきたDJ-2の山だけ異臭を感じました。
まだ出荷されていない同じロットのものは異臭が無いのです。
倉庫番をしている方も、パン屋さんから帰ってきてから異臭がすると言うのです。
しかし、この時もCJの方は「異臭は何もしない。何も感じない。」と言うのでした。
「このDJ-2は異臭がするでしょう。」と、私も問い詰めたのですが。

また事なかれ主義で逃げようとしているなと思ったのですが、
クレームの対応はメーカーにしてもらわなければなりません。
その場でとやかく言っても仕方ないので、
とにかく問題のパンと粉をCJは韓国で、弊社は日本分析センターで調べることにしたのです。

結果的にこれが大きな失敗となったのでした。

製パンメーカー様からパンの回収分や費用などで2400万円の請求が来ました。
CJからも日本分析センターの方からも問題のパンと粉から異臭の原因物質が特定され、
原因は洗剤などの有機物質、化学物質だという事が解りました。
パレットなどを洗剤で洗って、それをよく取らずにその上に袋を置いたのではないかという事になりました。
ここにたどり着くまで、日本分析センターの結果を得たり、釜山の大学の研究所に入って分析したりで
かなり時間がかかってしまい、倉庫にあった異臭も消えてしまっていたので、
原因が特定できた段階では、発生した箇所や状況が特定できないようになっていました。
製パンメーカー様の方では、とにかくDJ-2が原因で発生した問題なので2400万円弁償してくれと言われました。

最初に倉庫の方で異臭を確認し、帰ってきたDJ-2が異臭がしていることを皆で確認しあえば、
また違った展開になったと思いますが、全額弁償することにしたのです。

CJからは、「CJの方で問題が発生したとは考えられないが、
大変な損害が発生しているので600万円協力します。」という事になりました。
また、倉庫、物流会社なども600万円協力してくれ、弊社が1200万円を負担して、全額支払ったのでした。

こういう時、発生原因がわからないという理由で逃げたり、減額を要求したりする事が多いようですが、
信用第一、信頼第一、というポリシーがありますので、100%対応させていただいたのです。

それ以来、その製パンメーカーの専務さんから厚い信頼を寄せていただき、
台湾から新しい製品を導入していただく際も、専務さんは

「何か問題が起こっても、大進はちゃんとしてくれるわ。」

と言って社内を了解させて採用して下さいました。
そして、その台湾の製品は非常に良い評価を得る事になったのです。

この大クレームからの教訓ですが、
やはりクレーム発生時に逃げずに誠実に対応しなければいけないという事を強く感じたのでした。

これからもメーカーとユーザーの架け橋をしっかりとやる事が
大進の存在価値だと強く考えております。
 
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