『コンテンツは国力』を掲げる韓国の戦略
韓国のコンテンツは世界で脚光を浴び、年間輸出額は
60億ドル(約6700億円)。
Kocca(韓国コンテンツ普光院)の金院長は、Kコンテンツは『韓国』
という国を最も明確に説明できる国家ブランドと話されます。
例えばK-POPやドラマ、映画などKコンテンツの広がりがサムスンや
現代といったブランドの世界的な広がりに大きく貢献しました。
次に、韓国では失業問題が深刻ですが、コンテンツ産業の売り上げ
は年間で約110兆ウォン(約11兆円)に至っており、この数字は
造船業の12倍。コンテンツ産業の重要度は日に日に増しています。
そして、韓国は国内市場がそれほど大きくない為、企業が収益を上げ
成長するには海外に出ていくしかなかったが、コンテンツが海外進出で
出くわす障害物を取り除く役割を果たしました。
金院長はコンテンツが企業の潤滑油になったと言うのです。
パラサイトなどの韓流映画の大成功は皆様もご存知でしょう。
Kコンテンツはドラマやゲーム以外にこの2年ほどの間に急成長して
いるのがゲームです。
2018年に韓国コンテンツ産業の輸出額は1兆円を超えるように
なりましたが、オンラインゲームが6割を占めるまでになっているそうです。
韓国のコンテンツ産業が急成長してきた要因にデジタル技術を活用す
るDX(デジタルトランスフォーメーション)に迅速に対応してきたことが
挙げられます。
ネットで動画が簡単にみられるようになると、ユーチューブを活用して
歌手PSYさんの「江南スタイル」が世界で大ヒット。BTSもユーチューブを
戦略的に利用しています。
DXは従来のコンテンツの流通を変え、その波に韓国は上手く乗った
と言えます。
これからKブームがブームでなく持続するためには、ウエブ漫画が引っ張る
と言われています。日本で人気のドラマ「梨泰院クラス」も原作は
ウエブ漫画です。漫画からドラマや映画にもなるため、コンテンツの相乗
効果がとても高いと言えます。
日本はガラパゴスと言われながらも国内に一定の市場が有るため敢えて
国外に出る必要が有りません。韓国は自国にそこまでの市場は無く、
だからこそ外に打って出て生き残ろうとしているのです。
日本に於いて第4次韓流ブームが10代20代の若い女性から始まり、
日本の女性全体に広がる中、コロナ禍で韓国に行けない人々が
新大久保や大阪鶴橋のコリアタウン殺到するようになりました。
そうしてコリアタウンから飛び火するように韓国系のお店が拡散しています。
以前の伝統的な韓国料理店も健在ですが、新しい若者が集うお店は、
赤や青や緑の原色を使い、K-POPの音楽をガンガン流し、ダンスパ
フォーマンスの映像をお店の天井や壁に映し出してノリのいい雰囲気
になっています。
料理もオーソドックスなものから流行りのヤンニョムチキンやハットックや
トッポキなどの韓国のファストフーズと言える屋台メニューに至るまで豊富です。
韓流ファンの年齢層が若年まで広がっているせいも有るでしょう。
20年前までの第一次韓流ブームの時の韓国料理と言えば焼肉と
キムチやビビンバ冷麺位でしたが、今はプルコギ、サムギョップサル、
参鶏湯、タッカルビ、ソルロンタン、プデチゲ、キンパ、チャプチェなどの多くの
メニューを日本人が普通に楽しんでいます。まさにこの状況が世界に
拡散しているのです。