深刻な人手不足
今 製パン業界で深刻化する人手不足の問題について考えていきます。
この業界は、そもそも人手のかかる業界でしたので、
こういう状況になってくると もろに影響が及んできます。
東京オリンピックが開催される2020年まで続くのでしょうか。
この事で思い出されるのが、1980年代後半から1991年まで続いたバブル時代です。
この当時は今よりもっとひどい状況でしたが、この時代に戻っていくのでしょうか…
そう思うと恐ろしくさえあります。
当時は製菓製パン企業も大変な状況でしたが、
我社の物流も大変で、私も5年間毎日まったく休み無しでトラックに乗り、
1日500袋から1000袋の小麦粉や調製品を担ぎました。
体を鍛えることが好きでしたので、毎日500回の腕立て伏せと腹筋をやりながら、
体が強くなっていくのは楽しかったのですが、
その上 商売をやり 稼いでいかなければならないので、その方は大変でした。
しかし、その当時と違うのは、重労働に耐えられる人が減っていることでしょう。
我々物流をやる者は、1度に3袋の粉を担いで走りながら作業をしましたから、
今の人と比べると倍くらいのスピードがあったでしょう。
また、労働時間も倍以上働いていたので、今の3~4倍の仕事ができたと思います。
その差を埋めるのが合理化という事でしょう。
今はほとんどパレット積み、パレット納品になっています。
製菓製パン企業でも、今年の初めくらいからこの問題が提起されるようになりました。
弊社が取り扱う調製品も、袋入りですのでハンドリングが大変です。
大量に使用されるところは、全自動で開封される設備を導入されたり、
1トンのフレコンバックで対応されたりしておられるところもあります。
これから調製品やプレミックスを増やしていこうと考えられるところは、
自動開袋機の導入も考えておられます。
また、体育会系の学生アルバイトを雇って
トレーニング代わりに開袋させたり、海外の若い労働者を使ったりと、
いろいろ工夫されています。
このコストアップ分をカバーするために、物流を見直したり、
販売量をもっと増やしてコストダウンにつなげていく努力も必要でしょう。
しばらくこの問題について、いろいろ考えてゆきたいと思います。