会長の思い出28
2012-12-01
1984年6月、とにかく大進の売り上げを伸ばさなければいけないという事で新規開拓にも努力したのですが、近くの大手の弁当屋さんの社長さんが
ゴルフショップのお客様で、懇意にしていただいていましたので、
小麦粉を売りたい旨を相談しました。
すると「サンドウィッチ用の食パンを大量に買っているので、
良い食パンやロールパンが有れば買ってあげるよ。
そうすれば粉も増えるのではないか。」と教えていただきました。
食パンメーカーのお得意様数社にこの話をしますと、
量は多いが価格が安すぎるという事で乗ってこられませんでした。
そこで、取引きはなかったのですが、ある方の紹介で
堺の食パンメーカーの社長さんに相談させてもらいますと、
「よし、やってみよう。」と挑戦していただける事になったのです。
テスト結果も良く、価格も頑張られまして、
1日食パン500本から始まって、すぐに1000本に増やして下さり、
ロールパンも採用していただきました。
そして、パンの価格が安いからという事で、
小麦粉の価格もお安くさせていただいて、採用してもらえるようになったのです。
その新規のパンに使用する小麦粉を月間1000袋(1袋25㎏)
買っていただけるようになりました。
大進の仕事を始めて2ヶ月で、初めての新規ユーザーを獲得出来たのでした。
お客様を紹介して粉を買っていただくという手法があることを知りましたし、
やはり、ゴルフの関係が人のつながりの潤滑油になるという事を
またもや実感させられたのでした。
売り上げを伸ばすという事と並行して、会社の実績を把握することにも努めました。
年商が10億円という事と、20年以上赤字だったという事しかわかっていませんでした。
まず、赤字を止めなければいけません。
その為に、各得意先の利益や実態を把むことにしたのです。
すると、仕入れ価格よりも安く売っている先が3件、
全く利益がない先も何軒か有りました。
社長に聞いても「いろいろ経緯があるんや。腐れ縁や。」
と言われるだけで、よく理由がわかりません。
利益がないのはまだしも、赤字の商売は絶対ダメだと思ったのです。
赤字の商売は、当然足を引っ張られますし、
少しでも儲けさせていただいているお客様に迷惑がかかる事になるわけですから、
これは絶対何とかしなければならないと考えたのです。
仕入先にこれを相談しましても「それは大進さんが勝手にやった事なので。」と言って
なんら対応はしてくれませんし、私も過去のいきさつつも分からないので、
それ以上踏み込めず、お客様に相談するしかありませんでした。
ご相談申し上げても、話にならなかったのですが、
不思議とそういうお客様は、数年後ですが廃業されたり消えていきました。
営業の人は4人いたのですが、目的意識、目標意識を持ってもらう為に、
数字をベースにした会議もするようになりました。
すると社長からは「数字眺めてても物は売れんわ。会議なんかやってるより走らんか。」
と言われたのですが、まず、私自身も数字を把握し、
営業が数字に対しどんな考えを持って仕事をしているのか知りたかったのです。
でも、社長の言う事がだんだんわかるような結果になっていくのでした。
営業の人達の意識があまりにも低かったのです。
大進は、社長の生き抜くためのパワーと研ぎ澄まされた勘だけで
やってきたのだなぁと思い知らされたのでした。
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