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会長の思い出21

 2012-05-01
その時は突然やってくる。

1981年6月、社長(父)から
「ゴルフコンペがあるんやけど用事で出れないから代わりに出ろ。」
と言われました。

それは昔から小麦粉を買っていただいている
大手の洋菓子メーカーさんのゴルフコンペでした。
確か、洋菓子メーカーの幹部の方はじめ
納入会社、関連会社の偉いさんなど総勢50名近くの
大コンペだったように思います。

「ゴルフした事ないし、店1日空ける事も出来ないし
そんなゴルフコンペなんか無理やわ。」
と社長に申しますと、いつもの様に
「出ろ言うたら出たらええやろ!まだ2週間もあるから練習したらええやろ!」
と怒鳴るだけです。

ゴルフショップを始めてから、グリップの握り方や
スウィングの仕方を教えてもらったり、
店のインドアネットで少し練習したり、
近くの練習場でお客様に習った事はありましたが、
ちゃんと教えてもらった事はなかったので、
とにかく、練習場で知り合いになった
アシスタントプロに指導してもらう事にしたのです。

朝6時のオープンから2時間程、約10日間くらい教えてもらいました。
その練習でアイアンショットだけは何とか当たるようになったのですが、
ウッドは全く当たらず、アシスタントプロが
「ティーショットはピンの2アイアンが打ち易いから、それを使うしかないなぁ。」
と言うので、それを使うことにしました。
しかし、練習では全く当たりませんでした。
ゴルフルールは、その練習場にショートコースがありましたので
お客様と回ってもらって教えてもらいました。

ゴルフコンペの当日、ゴルフ場に行ってみると組み合わせを見てびっくり!
うちの社長の代わりですから、第1組目で、
私にとっては雲のような存在である洋菓子メーカーの西日本事業部長の方と
一緒に回る事になっていたのでした。

すると、うちの社長がクラブハウスに来ていたのです。
参加できない事をお詫びしているのですが、
「息子はゴルフショップをやっていますから。」とか余計な事を言っているのです。
「また店見に来てやって下さい。」と、ゴルフの商売には反対でしたが、
商売人の本能がそう言わせるのでしょうか、やたらゴルフショップの話をしていました。
しかし、ゴルフショップをしているというウワサが広がってしまい、
「ゴルフショップの人ならウマいだろうな。」と、多くの人から声をかけられました。
もうスタート前から緊張の極限になってしまいました。

そして、スタートになったのですが、
私のキャディーバッグが開かれるとアイアンしか入っていません。
すると「やっぱりウマい人は違うなぁ。こんな素人のコンペはアイアンだけで回るのか。」
と言われましたので、「私、実はゴルフは今日が初めてなんです。」と申しますと、
「君、若いのにジョーダンはダメだよ。」と言われ、
素振りをしているとスウィングだけは様になっていたようで
「やっぱりプロは違うなぁ。」と、まだ信じてはくれないようでした。

いよいよ私のティーショットの順番が回ってきました。
ピンの2アイアンを持つと「流石ティーショットは2アイアンか。凄いなぁ。」
と、声をかけられても2アイアンがなぜ凄いのか意味も分かりません。

あの時の緊張は今でもついこの間の様に蘇ってきます。
私はゴルフが終わると大体回った時の事は覚えていないのですが、
あの30年前のゴルフだけは1打1打忘れられません。

そして、記念すべき初ゴルフの第1打は、
なるようになれと思い切り振り回したのですが
トップしてチョロになってしまいました。
100ヤードくらいしか飛ばなかったように思います。
これで皆分かったやろ、と瞬間に感じたのですが、
「ウマい人でもチョロはするんだなぁ。」とか
「猿も木から落ちるですな。」とか、
(ええ!本当にまだ分かっていないんだろうか!)。

しかし、第2打もチョロ、第3、第4もゴロで、
4オンしたのですが、グリーンに上がった時には
「君は本当に初めてだったんだなぁ。」と言われて
妙にほっとした気持ちになりました。

最初のホールは4オン2パットのダブルボギー。
2ホール目も同じく4打ゴロでオンして2パットダブルボギー。
3ホール目からやっとボールが上がりだして、
最初のハーフはスコアが54で、次のハーフは52。
トータル106が初めてのラウンドでした。
アイアンだけで回りましたのでOBは無かったのです。

終わった後の皆さんの感想は
「君は本当に初めてだったんだなぁ。それでよくこんなコンペに来たなぁ。
君のお父さんらしいよ。」と言うものでした。

その後、そこの洋菓子メーカーの方々がゴルフショップに買いに来てくれました。
また、大阪パン組合や洋菓子組合、小麦粉卸組合、そして大進の取引先など
よく来ていただけるようになり、コンペ賞品やゴルフ用品だけでなく、
レストランの宴会の利用もしてもらえるようになっていたのです。

社長が皆宣伝してくれていたのですが、反対していても商売では、
影で応援してくれていたのか、それか本能的に人にアピールする人でしたから
自然にそんな風になったのかわからない所があったのですが、
今となっては、応援してくれていたように思えるのでした。
 
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小麦粉調製品、砂糖調製品などを取り扱っている大進です。
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