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会長の思い出18

 2012-02-01
この10年間、私は店内でケンカが起こるといつも止めに入っていたのですが、
遂に、私自身がやってしまう時が来たのです。
そのケンカの相手は常連のチンピラで、
酒に酔っては店員を怒鳴りつけたり、殴ったりしていたのです。

ある日、たまたま店が暇だったので、そのチンピラが私に酒を注げと言ってきました。
何度か注ぎながら10分位話をして「ちょっとショップの方に行ってきますから。」
と言って離れると、また呼びに来たのでした。
酔っぱらいの相手ばかりしていられないので「ちょっと忙しいので。」と言うと
チンピラは「忙しいて、客おらんやないか!俺に酌が出来ん言うんか!」
と大声を出したかと思うと私にビンタをくらわしてきたのです。

いつも暴れるような人なので、ここは舐められると後々まずいと咄嗟に思い、
「何するんじゃい!」と言ってチンピラを突き飛ばしたのです。
するとチンピラは、私の顔面目がけて頭突きを入れてきたのでかわしたのですが、
また頭突きしてきたのでそれもかわし、3回目もやろうとしたので
私もやったれと、頭突きを入れると、それがまともに相手の顔面に入って口から血が飛びました。
学生の時に少し空手を習っていたので役に立ったようですが、
加減できるような達人ではなかったのでモロに入ってしまいました。

チンピラがぶっ殺したると吠えていましたが、丁度そこに父が帰ってきたのです。
父は「どないしたんや。」と言って相手の顔を見たのですが
「なんや、あんたかいな。」と父が言うと、チンピラは
「社長、息子にいろいろ教えとったんですわ。」とか何とか言っていました。
父は「たいがいあんたには、皆気つかっとるで。」と言うと行ってしまいました。
するとチンピラは「覚えとれよ。絶対に許さへんからな。」と帰っていきました。

また何かしてくるだろうなと思っていたら案の定、
次の日の朝1番に電話が入り、近くの喫茶店にいるから出てこいというものでした。
絶対に逃げたらいかんと思い、また店員に2時間経って帰ってこなかったら
警察を呼んでくださいと言って喫茶店に向かいました。
うちの店から100m位の所でした。

店に入るとチンピラが
「よう、昨日は酔っぱらっとったからなぁ。兄ちゃんええ根性しとるやないか。
これからは仲良うしようやぁ。今度ゴルフでも行こうやぁ。」と言ってきたのです。
「私は年中無休で忙しいので。」と言うと、
「そうやなぁ。そやけどこの辺で意気がっとったらあかんで、この店のマスター知ってるか。」
私は「うちの店によく来てはるので顔は知ってますけど、どういう人かは知りません。」と言うと、
「ここのマスターは元あんたとこの運転手やったんや。
この辺の者とケンカしてブタ箱入ってたんやで。
この辺はそういう怖いところやから気をつけなあかんで。」とチンピラは言いました。
とにかく、相手を怪我させたことだけは謝らないといけないと思っていましたので、
お見舞いの菓子折りだけ渡して帰ってきました。

後日この話を父に報告した時、父は笑って聞いていましたが
見舞いを渡したという話をした途端、
「お前が悪くないんやったら怪我させようが何しようが謝ることないやろ。
何か後ろめたい事があるから謝ったんやろ!」と烈火のごとく怒りだしたのです。
その時は(なんでこんな事でそんな怒らなあんねんやろう。)と思ったのですが、
後で冷静になって考えたら、自分の心の中に少しは
それで許してもらおうという気持ちがあったようにも思われ、
やはり、父は筋金入りやなぁ、厳しいなぁ、
それに比べ自分はまだまだ甘いなぁと気づかされたのでした。

でも、それ以後その人は店で暴力を振るう事もなく大人しくなりましたし、
祭の時は神輿を引いてきて店の駐車場で精一杯大きなうちわを振って
応援してくれるようにもなりました。

とにかく、この件で暴力に絶対に屈せず、負けない事がいかに大事かを身を持って学びました。
長々と店が普通になっていく過程をお話しして参りましたが、
気の荒い人は多かったのですが、暴力団や暴力を振るう人は減っていきました。
 
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小麦粉調製品、砂糖調製品などを取り扱っている大進です。
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